アセンデッドマスターとつながる

 アセンデッドマスターという存在をご存知でしょうか。アセンデッドマスターは私たちが生活するこの地球上にかつて存在し、今は天界にいらっしゃる高尚な魂を持つ人たちです。彼らは私たち人間を神の視点から見つめ、人が人生の目的を理解し、自分の願いや思いを形にする力を身につけることができるようにサポートしてくれる存在です。彼らも私たち人間をサポートすることで自らの霊性を高めているのです。

 アセンデッドマスターには、イエス、聖母マリア、大天使ミカエル、モーゼ、釈迦、ブッダ、観音、ガネーシャ、アフロディーテ、ポセイドン、自由の女神、マハトマガンジー、マザーテレサ、ピュートル一世、など錚々たる顔ぶれが揃っています。

 私たち人間の本質はスピリット(霊、魂)であり、肉体は地上生活を送るために必要な乗り物であるということは、この記事を読まれている方の多くはご理解いただけている事と思います。魂とか霊の否定論者はそもそもこのような記事に辿りつきませんものね。さらに流派によって呼び方は様々ですが、守護霊、背後霊、支配霊、指導霊と呼ばれる方が目には見えない世界から、人間の魂の成長をサポートしてくれているという事をご存知な方も多いと思います。ですからこの記事を読まれている方の中には、アセンデッドマスターという概念に対して、あまり抵抗感を持たずにやり過ごしていらっしゃる方もいる事でしょう。

 アセンデッドマスターの概念は、神智学協会がその発祥とされています。神智学協会はニューエイジやオカルト主義の源流の一つであります。他の記事で述べていますように、まともなスピリチュアルの存在が広く一般に認知されるのを妨げている主な原因のひとつには、ニューエイジ発祥のスピ系の存在があります。

 霊界の高級霊と言われる方々たちから送られてきた数々のメッセージや、また霊現象を真摯に研究してきた研究者の文献にあたってみると、霊言(霊界の住人からのメッセージ)に関してはいくつかの大原則があります。その一つが「真に高尚な存在は自らを名乗らない」ということです。同時に彼らは「彼ら自身が送ったメッセージそのものをよく吟味する」こと「彼らのメッセージを盲信しない」こと「理性が反発がするようなものは受け入れなくても良い」ことを繰り返し述べています。要するに真に高尚な存在(高級霊)は「看板よりも中身で勝負」なのです。

 人間の弱点の一つに「権威に弱い」というものがあります。有名人だったり、大衆から人気があったり、権力があったりする人に遭遇すると何となく相手を上に見てしまい、酷い場合には神格化してしまうことさえあります。

 私たちが現在生活している地上に近い霊界は「元人間」が構成している世界です。自分自身も含め、地上にいる人間のことを客観的に観察してみるとその世界というものをイメージできることでしょう。地上生活している人間には、善人もいれば悪人もいます、親切心豊かな人もいれば他人の足を引っ張ることに快感を覚える人間もいます、正直な人もいれば平気で嘘をつく人間もいます、謙虚な人もいれば他人からの称賛を浴びたい人間もいます、奉仕精神溢れる人もいれば守銭奴もいます。そう、地上に近い霊界は善も悪も両方とも存在する世界なのであって、そこに居るスピリットは私たち人間と変わらないレベルなのです。よく耳にする「死ねば仏になる」というフレーズは仏教教団が入信者を増やすための方便でしかありません。

 肉体という乗り物に乗っている私たちは、いわば潜水服を着て海に潜っているのと同じ状態ですから、本質であるスピリットの状態で体験する世界のほんの一部しか認識することができていません。ですから地上に近い霊界にいるスピリットが、どのような意図で、どのような方法で、どのような動きで私たち人間にアプローチしているかという事は認識できにくいのです。

 こういう状況ですから、私たち人間は過去の研究なり文献を精査して、霊界の現実を想像し、対策するしかありません。そこでわかっている事は先ほど述べたように「真に高尚な存在は自らを名乗らない」「看板よりも中身で勝負」という事です。同時に「未熟霊(低級霊)ほど権威を笠に着たがる」という事もわかっています。未熟な人物ほど肩書きや権威を頼りにするのは、この地上世界でも変わりありませんね。

 日本ではそれなりの信者数を持つ新興宗教教団(海外の概念ではカルト教団)がありますが、そちらの教祖様は、今までにヘルメス、イエス、ゴータマなどとして生まれてきた意識集団の本体であらせられるそうです。そして彼の守護霊にはカント、ユング、ソクラテス、中山みき(天理教創始者)、シルバーバーチなどの錚々たる顔ぶれがいらっしゃるようです。

 こういう主張は自らを権威付けする目的もあるでしょうが、他宗教の信者や他分野のファンをも自分側につけて勢力拡大しようとする、典型的な取り込み戦術とか抱きつき戦術と呼ばれる商法です。このような商売をするにあたっては、世界の歴代の有名人が名前を連ねるアセンデッドマスターは格好のビジネスツールとなり得るのです。最近のスピ系の中にも、他分野のエキスパートや有名人とコラボするなどして、取り込み商法、抱きつき商法をしているところがありますので警戒が必要です。

 現実逃避的な背景を持ち、各方面からの批判を受け続けているニューエイジが、その黎明期に神智学協会のアセンデッドマスターの概念を取り込むことで、自らを正当化しようとしたことも想像に難くありません。

 前記したアセンデッドマスターのリストは、真摯に霊界の真実を研究している人から見ると、支離滅裂なものに映ります。実在したのかどうかわからない存在もあれば、スピリットの進化の系統から見て疑念を惹起される存在、霊格的に天界にいらっしゃるのかどうか疑問な名前等々突っ込みどころ満載です。

 仮にこのリストが実際に霊媒がコンタクトした結果出来上がったリストだったとしても「真に高尚な存在は自らを名乗らない」という原則から見れば、自らを権威付けしようとしたり、人間を陥れたり騙したりすることに快感を覚える低級霊と霊媒がコンタクトした結果できたリストと言うことができます。

 アセンデッドマスターという概念がニューエイジ系であること、「未熟霊(低級霊)ほど権威を笠に着たがる」ということ、アセンデッドマスターのリストの支離滅裂さなどを総合的に判断すると、アセンデッドマスターという概念は限りなくマユツバ物であると言うことができるでしょう。

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