心を高める、経営を伸ばす

 「心を高める、経営を伸ばす」
このフレーズは、京セラ株式会社の創業者である稲盛和夫さんの数ある著書の中の一つの著作名です。

 稲盛氏は事業で得た私財を投じて、盛和塾という経営者のための私塾を作られました。盛和塾では全国のそして世界の中小企業をはじめとした経営者の方々に、自らの経験を元にして経営のノウハウを教えていらっしゃいました。稲盛氏のファンは多かったのですが、寄る歳波もあってか盛和塾は2019年に惜しまれながら幕を閉じられたようです。塾は無くなりましたが、稲盛イズムは今でもたくさんの著書や映像などで学ぶことができるようですし、稲盛氏に感化されたコンサルティング業の方なども様々に出版なさっているようです。

 私の近しい方の中に、稲盛氏に傾倒されていた方がいらっしゃって、稲盛氏の動画や著作や塾の機関紙を拝見する機会を私も得ることがありました。その中でも私が特に関心を持ったのは上記のフレーズ「心を高める、経営を伸ばす」という言葉の真意でした。ごくごく簡単に言ってしまえば、経営者たるものは他人を利するという志、つまり「利他」の精神で物事に当たらなければならない、それが心を高めることであり、経営者の心が高まった結果として会社は成長していくのである、ということです。

 多くの中小零細企業の創業者の方は、まずは自分の生活のために、つまり自分を利する(利己)ために経営を始めるのが自然な流れだと思います。しかし、その後も会社を伸ばしていきたいのであれば、考えや動機を利己から利他に変換していかなければならないと稲盛氏はおっしゃります。

 この「利他」という言葉やその考え方をうかがって、私にはピンとくるものがありました。「利他」はスピリチュアリズム関連の様々な霊訓(霊界からの教え)の中に、繰り返し繰り返し使われている言葉であり、考え方であったからです。

 案の定、稲盛氏の公演の一部では「シルバーバーチ」というスピリチュアリズムでは有名な高級霊を指すキーワードが使われている回がありました。また、稲盛氏が宗教について述べている公演もあるのですが、その内容は特定の宗教に与する事なく、とてもフラットな視点で信仰や霊性について語っていらっしゃり、その視点や切り口などから少なからずスピリチュアリズムに触れられた形跡を感じ取ることができました。

 

 既出のシルバーバーチは「霊主肉従」という言葉を説きました。文字面だけ見れば、人間は霊の部分が主人で、肉体は従者であるというふうに取れますが、もう少し深い意味があります。

 私たちの本質は霊であって肉体は衣に過ぎません。霊の部分とは感情、思考、意識などのあなたの想念そのものです。それゆえに、想念を浄化すれば健康になり、想念が悪ければ病気になると戒めます。さらには、想念の浄化が進めば進むほどに生活に安定と潤いがもたらされるのも法則である、と説くのです。

 我欲のために始めたことは最初は順調だったとしてもいずれ頭打ち、行き詰まりになります。なぜなら何事もその人の器の大きさ(稲盛氏は”人格”と表現しています)に応じて決まるからです。もしあなたの想念(考え方)が奉仕や利他といった、より高尚なものに変貌すれば、あなたの器は大きくなり(人格が高まり)、その大きくなった分だけ、成長できる余地ができる、これも法則であります。

 この法則を稲盛氏は経営者向けに「心を高める、経営を伸ばす」という言葉に纏められたのでしょうし、実際に氏が実践し法則を体験したからこそ、この法則への確信がおありなのだと拝察しています。

 では、器を大きくするには具体的にどうすれば良いのでしょう?

 その答えは、霊的知識を学ぶこと、それもスピリチュアリズムがもたらした霊的真理を学ぶことです。世間的な常識を身につけること、仕事や経営に関する知識や技術を学ぶことはとても大切です。しかし霊主肉従が真理ですから、その上に霊的な知識を学ばなければ本当の意味で心を高めることはかなわないのです。スピリチュアリズムがもたらした霊的真理は、観念的なあやふやなものではなく、とても実践的なもので、人々を幸福へと導くものです。

 私は、経営に携わる方がスピリチュアリズムがもたらした霊的真理を学ばれることは個人レベルでも良いことであると考えますが、同時にそれは社会にとっても有意義なことであると考えています。なぜなら経営者の方は周囲や社会に与える影響力が大きいからです。

 霊的真理を得た経営者の方が、法則に則って事業を発展させ続けることはとても大きな奉仕になります。社員の物的欲求を満たし、関係先にも潤いを与えることももちろん大切な奉仕です。ですがそれ以上に目に見えないところで、大きな奉仕をすることになるのです。

 それは、放つ言葉の端々や振る舞いなどから、あるいはエネルギーとして、経営トップの浄化された想念は周囲に伝播していくからです。その結果として、社員や関係先の人々もより高尚な想念を持つようになることで、地球全体として想念の浄化が加速度的に進んでいく手助けをすることになるからです。


 もちろん、経営者の方に限らずとも、スピリチュアリズムがもたらした霊的な知識を得ることで、この現実世界を少しでも幸せで明るい気持ちで生き抜いていただけるような方がお一人でも増えたら嬉しく思います。

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